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2007年07月09日

第九交響曲初演

それは1824年の5月、ウイーンでのことでした。
曲があまりにも大規模で異例な構成だったのでオーケストラをはじめソリストや合唱団そして劇場、さらには著名な招待者の選定はじつに大変なものだったのですが、演奏会は非常に盛況で熱狂的に迎えられたのです。
指揮を終わった舞台の上の彼れはその嵐のような拍手も悲しいことに難聴の耳の病のためよそごとでしかなかったのです。
アルトの女性独唱者が彼の袖を引いて合図し聴衆の熱狂振りを知らせて、彼れは振り返って初めてそれを知ったというエピソードが残っています。

そして日本におけるその初演は1918年6月1日で徳島県の鳴門市俘虜収容所だったのです。これは中国の青島で俘虜となった第一次大戦でのドイツ兵俘虜たち約1000人が徳島に送られてきて、ヒューマニズムが非常に大きくあふれる松江所長のもとで、彼れらの手作りの楽器などにより初めての試みとして開催されたのです。
その苦労はじつに大変ではあったのですが、俘虜たちと県民たちとの温かい心が通じる交流がその中心となり、100回以上の演奏会が開催されています。
日独合作に近い映画「バルトの楽園」で見事に当時が再現されており、まさに感動のストーリーとなっております。



Posted by ・・ at 20:24